2013/11/08

回復

 術後8日目。文字通り日毎に回復してきている。創部の痛みも体調も。昨日までできなかったこと、寝返りや起き上がり、歩行などが、今日はできるようになってきている。こうなってくると「明日はどこまでできるようになるだろうか」と思えてくる。一歩離れてみれば人生のどん底に近いのだが(多分)、それでも小さな幸せを感じる毎日だ。

 今日はベッドの頭を起こさなくても起きられた。腹部の術後の痛みもかなり少なくなり、トイレまでの往復が簡単になった。一昨日まではそれこそ気合いを入れてトイレまで行っていたのに。昨日から三分がゆが開始となり、今日で点滴も終了した。最後の一本の点滴は感慨深いものがあった。夜間はエレンタール4パックを経鼻胃管で注入する予定。そのため日中は何の管も入っていない状態であった。本当に幸せな気分でシャワーを浴びることができた。

 午前中には栄養士さんから妻と一緒に栄養指導を受けた。かなり勉強されているようで、患者会での情報なども教えてもらった。私の職業柄のためかもしれないが、これまで食事についてこれほど詳細に教えてもらえていなかった。確かにほとんどが知っている知識ではあったが、それを家族と共に聞くということはまた違った意味があると思う。妻もしきりに「聞いて良かった」と言っていた。子供達とは別の食事を私のために作る必要があるのかと考えていたようだ。

 食事制限のある病気は本当に辛い。それは本人だけではなく、家族にも強く影響するからだ。食事は分化の大きな一面を担う。楽しい食事は人間関係の潤滑油であろうし、楽しい旅行は食事抜きには考えられない。今後、いろいろなものを犠牲にしなければならないのだろう。しかしクローン病という窓から、また違った面白い景色が見られるかも知れない。自分の置かれた環境でベストを尽くす。それが全て。


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