2013/10/30

手術前日

 入院より絶食のまま4週間経過。いよいよ明日が手術。狭窄プラス穿孔した小腸の切除予定だ。悪くなった部分だから仕方ないのだけれど、自分の身体の一部が文字通り削がれていくようで切ない。全身麻酔下での手術は初めて受ける。同時に硬膜外麻酔も行うようだ。これも当然初めての経験だ。

 どの医師が麻酔をかけてくれるのか、だれが実際に手術をするのか、少々気になるところはある。それが正直な気持ちだ。だが自分も患者さんや先輩に教えてもらってここまでやってきた身の上であるし、好き嫌いは言っていられない。もちろん手術だってそうだ。担当医は最終的な責任者であって、ところどころ、あるいはほとんどが若手医師が手術する可能性もあるだろう。それも結構。お役に立てれば幸いだ。

 だがこの気持ちは医療者だからかもしれない。患者さんからみれば、いつでも最高の治療を受けたいという気持ちがあるのは間違いない。しかし現実的にそれはなかなか難しい。でも医療者には最高の治療を行う心意気が要求されると思う。これも言葉で書くほど簡単ではない。最高とは何か。誰にとって何が最高か。それは万人共通ではないはず。

 医療というのは当然人間が対象であり、純粋な科学とは異なる。常に最高の医療を提供する、少なくともその心意気を維持することは医療者の義務だろう。一方で患者さんも協力しなければならない部分もある。その中で様々なドラマが生み出されていくのが医療だと思う。患者として手術の準備は整った。後は淡々と手術を待つのみ。


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